新しい街に引っ越したら、まずチェックしたいものがある。
便利なスーパー。落ち着けるカフェ。信頼できる美容室。
そして——花火大会のベストスポットである。
この夏、長野県上田市に引っ越した。
街の空気にもまだ慣れていないなか、最初にぶつかったのがこの問題。
「上田花火大会、どこから見る?」問題である。
もうすぐ2歳になる娘にとっては人生で初めての花火だ。できるだけ人混みを避けて、でもちゃんと“花火らしい花火”を見せてあげたい。
そんなパパ心をくすぐるミッションが始まった。
上田花火大会とは
正式名称は「上田市誕生20周年記念 第38回 信州上田大花火大会」。
約8,000発が千曲川の河川敷で打ちあがる。
開催時間は19時から20時30分まで。
今年(2025年)は平日の火曜日開催という日取り。
条件整理
今回、花火大会を見物する位置に求めたのはこの4つ。
1)花火がきれいに見える場所。
2)できれば座って見られる、人の少ない場所。
3)駐車場から近く、帰りがスムーズな場所。
4)仕事帰りでも間に合う、夕方から動ける場所。
これらをすべて満たすとなると、けっこう難しい。
河川敷は花火が近くていいけれど、人が多い。
子連れにはあの人混みがちょっとつらい。
「家に帰るまでが花火大会」ってやつだ。
作戦会議
地元出身の同僚いわく、上田駅周辺はかなり混雑し、帰りの渋滞もなかなかとのこと。さらに、千曲川にかかる橋が交通規制されるため、北側から南側への車移動はほぼ不可能。
ということで今回は“北側から花火見物作戦”とする。
ターゲットは上田城跡公園。上田城から見えるのか?という疑問はあったけれど、過去に観光協会のSNSで“花火見える”写真を確認済み。また、上田城には北・南の2か所にパーキングがあるため、ここを第一候補に決定。

花火大会当日-18:30 上田城跡公園
退社後ダッシュで帰宅し、妻と娘を乗せて出発。18時すぎの街は少し混み気味。「まさかもう駐車場いっぱいか…?」と不安になりながら上田城に着いてみると——。


人、いない。車も全然ない。犬の散歩してる人しかいない。拍子抜けするほど静かな上田城、訂正蝉の声のみが響き渡る上田城。本当に今日、花火大会ある?ってレベル。
南側へ歩いても、やっぱり人いない。あまりの人のいなさに不安になりながら二の丸通りに出ると浴衣姿の人たちがちらほら。「よかった、ちゃんと今日だ」と安心。ともあれ時刻は18時40分。ここで見物するか、もしくはもう少し打上げ場所(千曲川河川敷)へ行くか迷っていると、向こうから折りたたみ椅子を抱えた老夫婦が歩いてくる。開始20分前にこの余裕。さぞかし名スポットを知っているに違いないと声をかけてみると、これから河川敷に行くという。「え、今からでも場所空いてるんですか?」と尋ねると「全然いけるよ」とのこと。
老夫婦を信じてぼくらも河川敷を目指すことにした。
18:40 河川敷 へ
駅に近づくにつれ、人が増える。アリオの駐車場を横目に見ると、まさかの「空」マーク。
「…アリオ停めれたんかい」妻とそんなツッコミをしながら河川敷に向かって歩く。すでに1kmほど歩いている…。


18:55 河川敷に到着
上田橋の河川敷に到着。河川敷の道路は封鎖され、歩行者天国状態。
芝生エリア(千曲川側)にはロープが張られており、のり面には降りられない。芝生エリア側にはもうスペースは空いていなかったが、反対のガードレール側にはまだスペースがあった。レジャーシートを広げ、腰を下ろす。

19:10 花火開始
19時を少し過ぎたころ、「ドンッ」という音とともに花火が上がった。
近い。遮るものが何もない。
娘は最初こそ驚いていたけど、嬉しそうに空を見上げていた。
気づけば周りも立ち上がり始め、夜空に咲く火の花を静かに見つめている。
いい場所だった。まさにベストポジション。



20:00 帰り道
20:00花火は打ちあがり続けていたけども、娘の疲れを考慮し妻と娘を残し、車を取りに上田城へ戻る。
歩きながら、空に残る光の尾を見上げる。

次回へのメモ
・平日開催なら、駅周辺の駐車場も意外と空いている
・ファミリーでも河川敷北側はちょうどいい距離感。(もう少し早ければ芝生側で腰かけられるかも?)
















